「茶碗蒸し」は、日本に住んでいたらコンビニやスーパーで販売されているので、自分で作ろうとは思いませんが、意外に慣れてしまえば、上手く作れる様になります。
そんな、失敗しないための要点をまとめた「茶碗蒸し」をご紹介します!
材料 (Ingrédients)
【材料】(4人前)※入れるお椀によって多少変動あり
・卵・・・2つ
・出汁・・・360ml(顆粒だし・・・小さじ1 + 水)
※卵1個(Lサイズ(約60g)以上)に対して180mlの出汁を目安にしています。
『卵液の下味用』
★醤油・・・小さじ2
★みりん・・・小さじ1
★塩・・・小さじ1/3
卵液とお出汁の黄金比は、1:3がベストです!
《具材一例》
●鶏肉・・・100g(各一人前:一口サイズ2〜3個分)
『鶏肉の下味用』
●酒・・・小さじ1
●塩・・・ひとつまみ
■海老・・・4つ(一人前1つ)
『海老の下味用』
■片栗粉・・・大さじ1/2〜1 ※海老の大きさにより変動
■塩・・・小さじ1/4
※皮なしの冷凍海老を利用する場合は、下味の工程を省いてしまっても問題ないです!
・(干し)椎茸・・・スライス8枚(一人前2枚)
・枝豆・・・12〜16個(一人前3〜4個)
・絹さや・・・4枚〜8枚(一人前1〜2枚)
※具材が多すぎても卵液が固まらない原因になってしまうので、欲張らず具材を減らす事も大切!
もし、鰹節が手に入れば、本格的な「手作り出汁」に挑戦してみても良いですね!海外だと鰹節が手に入っても恐ろしく値段が高くて・・・お手頃な粉末のお出汁が便利です!
作り方(Instructions)
●出汁を作っておきます。
顆粒だしを利用する場合、溶けきらないと味にムラができるので、一度小鍋に出汁を沸騰させるか、電子レンジで30〜50秒ほど温めて、人肌程度に冷ましておきます。
●卵液を作ります。
ボールに卵を割り入れ、茶碗蒸しの味のベースになる『卵液の下味用』調味料をすべて入れ、よくかき混ぜます。
●出汁と卵液を混ぜて「茶碗蒸し」の味のベースを作ります。
人肌に冷めた出汁を調味料と合わせておいた卵液に少しずつ入れ、こし器でこしておきます。(1〜2回)
ひと手間ポイント!
卵液を一旦こし器でこしておくと、混ざりきれなかった卵白(や顆粒だし)が取り除かれ、滑らかな口当たりになります。
●「茶碗蒸し」に入れるお好きな具材の下処理をしておきます。
《今回一例でご紹介した具材の下準備例》
・鶏肉は一口大に切り、下味を付けておきます。
・海老は皮を剥き、背わたを取り、片栗粉をまんべんなく全体的に付けて、汚れやヌメリを取り除き、塩で締めておきます。
・椎茸はスライスしておきます。
・枝豆は冷凍であれば水で解凍しておきます。
・絹さやは、筋を取り除き、半分に切っておきます。
●お椀に具材を入れる。
下処理をした具材を茶碗蒸し用の入れ物か、耐熱容器やカップに重量の重い具材から入れます。
今回用意した具材の場合は、鶏肉、海老、枝豆、椎茸、絹さやの順に入れます。
●具材と卵液を合わせる。
お椀の中に入れた具材の上から、気泡が入らない様に、卵液をゆっくり注ぎます。
もし、気泡が多く入ってしまって気になる様でしたら、チャッカマンを気泡に当てると綺麗に消えます。
最後に、お椀の上にアルミホイルで蓋をし、1〜3穴を開けておきます。
どうしてアルミホイルの蓋をするの?
茶碗蒸しは高温の蒸気で調理する蒸し料理です。
そのため、蒸し器(鍋やフライパン)の蓋から水滴が落ちてきます。その水滴がお椀の中にそのまま入ってしまうと味が薄くなったり、綺麗に固まらなかったりします。それを防いでくれるのがアルミホイルです。アルミホイルはサランラップよりも熱伝導率が良いのと、長時間蒸しても型崩れしにくいからです。
●蒸し器の準備をします。
蒸し器にお湯を張り、沸騰させます。
※蒸し器がなければ、フライパンでも代用できます。ただ、フライパンに合う蓋が必要になります。サイズが合わない蓋だと上手く卵液が固まらない場合があります。
●沸騰した蒸し器(鍋やフライパン)にお椀を並べます。
※二層式の蒸し器だとお湯が沸騰してから設置できるので楽です。
火傷をしない様に火を弱めてから、お椀を並べても良いと思います。
●お椀を蒸し器にセットしたら、調理開始!
蒸し器の蓋を完全にかぶせて、強火で1分沸騰させて、蓋にさえ橋を挟み、弱火にして15分蒸します。(ガスコンロの場合は10分程度が目安)
10〜15分経過して、アルミホイルの蓋を剥がし、中がプリプルに出来上がっているか確認してみます。
まだ、蒸し足りない様であれば、さらに5分蒸します。もしくは、火を消してしまい余熱で5分放置します。
プルプルに卵液が固まっていれば完成です!!
ココがポイント!
必ず蓋にさえ橋を挟み、蒸気の逃げ道を作ってあげることです。
もし完全に蓋をしたまま蒸してしまうと、温度が上がり過ぎてしまい、茶碗蒸しではなく、キッシュの卵液の様にもっちりした別物の料理になってしまいます。
【こんな失敗をした時の対処法】”す”が入ってしまった
”す”とは、均一な卵液上に出来る隙間の事を言います。
しつこい様ですが、「茶碗蒸し」は、卵をメインに使った蒸し料理です。
卵のタンパク質が熱によって固まる性質を利用しているのだと理解して、蒸し器の温度調節を正確におこなう必要があります。
水が沸騰した状態が100度ならば、100度以上にさせない事が重要です。
卵液のたんぱく質は、60度ほどで固まりはじめるので、60〜70度だと、蒸し時間が長くなってしまうため、一番ベストな温度は、80〜90度くらいの温度調節にしてあげる事が必要です。
そのために、蓋にさえ橋を差し、蒸し器の中が100度以上にならない様に温度を一定に保ってあげる事がポイントです。
●温度調節が大切!蒸し器内の温度は80〜90度がベスト→温度計を利用
●蒸す時間が長すぎても”す”が通ってしまう。お椀を入れてから、沸騰して強火で1〜2分、弱火で10〜15分が目安(※蒸し器や鍋、フライパンの形状や大きさによって若干蒸し時間が変動します。)→キッチンタイマーで時間を計る
●蒸し器内の温度が上がらない様にする→さえ橋を挟む。蓋をずらす。
●卵を溶きほぐす時、材料を卵液と合わせる時、卵液を容器に流し入れる時など、できるだけ空気を入れない様に表面についてしまう気泡を潰してあげると滑らかな仕上がりになる→チャッカマンで気泡を潰す
【こんな失敗をした時の対処法】卵液が固まらない
「卵液」が固まらない大きな原因は、
①卵とだし汁の比率が、だし汁の方が多くて固まらない
ちなみに、卵の量がだし汁より多いと、卵液の固い茶碗蒸しになります!
卵とだし汁の黄金比は、卵1:だし汁3がベスト。
②温度が低過ぎる
卵液(卵のたんぱく質)が固まり始めるのが、60度以上なので、蒸し器内は、80〜90度がベスト。
逆に100度を越えると ”す”が通ってしまうので注意!!
もし、卵液が固まらない場合は、再度卵液を足すか、諦めてあんかけにしたり、スープとして頂いたり、捨てずにリメイク料理にしてしまう方法があります!
【こんな失敗をした時の対処法】卵とだし汁が分離してしまう
「茶碗蒸し」を作り始めた時、よくあったのが、この「卵とだし汁が分離してしまい、スープみたいになってしまう事でした。
いろいろな原因がありますが、私の場合は大きる分けて2つ原因がありました。
①おもてなし料理として作る事が多く、パーティーメニューとして、前もって卵液を作ってしまい、蒸すだけの状態のまま時間が経過し過ぎてしまった。
【対処法】卵とだし汁は蒸す直前に混ぜ、具材に注ぐ
②卵の大きさがM・Lサイズではなく極端に小さなSサイズだったため、卵とだし汁の比率が合わなかった。
(海外で販売されている卵は、S/M/Lサイズの表記がはっきりと無い&選別もされていない場合もあり、小さいサイズを買ってしまう事が多々ある)
【対処法】卵とだし汁の比率は1:3がベスト
慣れるまで難しい「茶碗蒸し」
でも、ポイントを抑えれば毎回失敗しない「茶碗蒸し」が作れる様になります!
まとめ・あとがき
「茶碗蒸し」は、日本のお寿司屋さんに行って、メニューにあれば必ずっと言って良いほど注文する一品です。
フランスの和食屋さんでも日本人がシェフをしているレストランだと、たまにメニューにあるので、かなりテンションが上がりますが、海外生活をしているとなかなか食べらない日本の味です。
よく母が作ってくれ、父は丼いっぱいの「茶碗蒸し」を平らげてしまうほど、大好きな料理の一つですが、自分で作ろうとすると火加減を間違え、失敗する確率の高い料理でもあります。
「卵料理」の中でも蒸し料理は火加減が一番重要になってきます。
だからこそ、上手く出来れば、どうやって作るのか分からない!っと不思議に思われる事が多いのですが、一度上手に蒸し上がってしまえば、冷めて電子レンジで温め直してもプルプルのままです。
おもてなし料理で作るのであれば、ゲストが来てから作り始めるよりも、すぐに出せる様に、あらかじめ蒸してしまい余熱で放置し、粗熱を取って出しても十分美味しく頂けます。
なんだか難しい料理だな〜っと、思っている人ほど、一度試して欲しい日本を代表する料理だと思います。
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