フランス、ヨーロッパを中心に現地の食材・調味料で作る日本食や地中海食料理ブログ!

【注意】フランスの生卵の選び方とは?品質保証に優れたシステムを読み解いて健康的で安心な卵を選ぼう!

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Bonjour〜!

南仏(なんふつ)マルセイユ在住のJAGAKOです。

フランスへ住みだした時、スーパーに並ぶ生卵の種類の多さと値段の高さにびっくりしました。

そして、少しでも安い卵を選んだ時、夫から注意された事があります!

GONZO

これはダメだよ!歩かない鶏の卵だから!!

JAGAKO

歩かない?
普通、ニワトリってケージ(鶏かご)飼育でしょ?

そして、今まで何気にスーパーで手に取っていた日本の「生卵」と、フランスの「生卵」に対する価値観がかなり変わりました。

何よりも、卵がどこから来て、どんな飼育方法で産み落とされ、私たち消費者の元に届いているのか?

フランスの卵選びには、安心・安全な卵なのかを消費者が自ら選べる仕組みになっています。

だから、「卵」っと言っても卵売り場には様々な種類が多く、始めはどの卵を選べば良いのか、分かりませんでした。

でも、卵が入っているパッケージや卵に直接記載されているラベルを読み解く力を身に付ければ、健康的で安心な卵を選ぶ事ができます。

そこで今回は、フランスの「生卵」事情をご紹介します。

目次

まずはじめに、生卵の素晴らしさとは?

「卵」と言えば、豊富なタンパク質が多く栄養価が高い食材として、無くてはならない食材の一つです。

豊富なタンパク質だけではなく、カルシウム・ビタミン・鉄など、健康を維持するために必要な栄養素が豊富に揃っています。

例えば、人間が生きていく上で必要不可欠な9つのアミノ酸が多く含まれているバランスの良いプロテインフードです。

主なタンパク質の働きとは?
●皮膚、筋肉、骨、臓器など健康な組織を構築、修復、維持するために活用
●消化酵素、ホルモンの形成のために活用
●必要不可欠な9つの「必須アミノ酸」が含まれている
イソロ/イシン/ ロイシン/ バリン/ スレオニン/ メチオニン/ フェニルアラニン/ トリプトファン/リジン/ ヒスチジン

フランスの生卵事情とは? 〜4つのカテゴリーを読み解く〜

フランスの「卵」は、4つのカテゴリーに区分されています。

卵の箱には、どんな飼育をして育った鶏卵なのか、カテゴリー別に記載されているのが一般的です。

それを読み解く事で「卵の品質」が分かるようになっています。

《この印字を読み解けば鶏卵の品質が分かる!》
JAGAKO

一番のポイントは「卵」を生み出す鶏が、どの様に飼育され出荷されているのか!

EU諸国内で販売されている「卵」の大きな特長として、どこの国・地域で育てられた養鶏卵で、どんな餌を与えられ、どんな環境で育ったのかが分かる様になっている「4つのカテゴリー別コード」を消費者が理解する必要があります。

【コードの意味とは?】Elevage biologique (code 0)

Elevage biologique (code 0)・・・コード0「有機農業」

パッケージの表記は「BIO」

・有機農業で育てられた有機卵

・農薬、遺伝子組み換え作物(GMO)、抗生物質なし保証された穀物のみを食べて野外で育てられた鶏卵

・有機鶏肉は平均112日で出荷

【コードの意味とは?】Elevage en plein air (code 1)

Elevage en plein air (code 1)・・・コード1「放し飼い」

パッケージの表記は「Plein air (放し飼い)」

※品質保証の「LABEL ROUGE(ラベル・ルージュ/赤いラベル)」はこの種類

・野外で放し飼いされた鶏卵 ※最低でも2平方メートルの野外スペースが確保されている

・1平方メートルあたり最大11羽の鶏がいる鶏舎で育つ

・抗生物質なしの穀物を与えられ育った鶏卵

・放し飼いの鶏卵は90日で出荷

【コードの意味とは?】Elevage au sol (code 2)

Elevage au sol (code 2)・・・コード2「平飼い」

パッケージの表記は「œuf au sol (床で飼育された鶏卵)」

・ケージを使用しない鶏舎(屋内)で地面(床)に放たれ、集中的に飼育された鶏卵

・鶏舎内には、1平方メートルあたり20羽以上の鶏が人工光で混雑しながら飼育

・成長を促進するための遺伝子組み換え作物(GMO)と抗生物質、及び動物由来の脂肪などを含む可能性のある穀物を与えられて育った鶏卵

・平飼いの鶏卵は45日で出荷

【コードの意味とは?】Elevage en cage aménagée (code 3)

Elevage en cage aménagée (code 3)・・・コード3「ケージ飼育」

パッケージの表記は「Œufs frais/Datés du jour de ponte(ケージ飼育)」

※【注意】”Œufs frais(新鮮な卵)”と記載してありますがケージで飼育された鶏卵。
ただ、往来のケージ飼育から近年のケージ飼育は多くの問題点が改善されている

・2012年、EU(欧州連合)は往来のケージ(鶏かご)での飼育を禁止し、すし詰め状態の悪質な環境で育つケージ飼育から、ヨーロッパの新基準に基づき、鶏は20~60羽のグループで飼育

・止まり木、巣、鶏同士が引っ掻いたり、つついたりするためのカーペットを設置

・鶏の行動を尊重した飼育方法に切り替えられ、消費者に安価な卵を提供する事が可能

・成長を促進するための遺伝子組み換え作物(GMO)と抗生物質、及び動物由来の脂肪などを含む可能性のある穀物を与えられて育った鶏卵

・フランスで販売されている卵の約80%以上はケージ飼育の養鶏卵

JAGAKO

ちなみに、フランスで販売されている約80%以上がゲージ飼育の鶏卵ですが、主にスーパーで販売されているケーキやアイスクリームなど加工品で多くで使われ、消費者はケージ飼育の鶏卵を避ける傾向があるため、将来的にはもっと減っていくのだとか!

引用・参考元:20minutes

「卵」に直接記載してある印字を読み解く!
0・・・放し飼いで育った有機卵(有機農業) ※抗生物質なしの餌を与えられた鶏卵
1・・・放し飼いで育った鶏卵 ※抗生物質なしの餌を与えられた鶏卵
2・・・鶏舎小屋内の地面(平飼い)で育てられた鶏卵 ※抗生物質使用の餌を与えられた鶏卵
3・・・ケージ(鶏かご)に入れられた鶏卵 ※抗生物質使用の餌を与えられた鶏卵

卵に表記された印字の詳細とは?

JAGAKO

上記の卵に記載されている内容をご紹介します!

●水色:生産者または、流通業者/場所 ※EU諸国の各ブリーダーには特定のコードあり。正確な産地が分かる
●赤色:繁殖・飼育農法 ※コード0〜4のカテゴリー
●青色:原産国 ※一例:FR・・・フランス/UK・・・英国/ES・・・スペイン/DE・・・ドイツ
●白色:生産者コード
●緑色:農場の建物の番号
●黄色:DCR/推奨消費日 ※産卵日から28日後

どうして、わざわざ養鶏卵に印字を記載しなければいけないのか?

その製品がいつ、どこで、だれによって作られた”のかを明確にする事で、生産者から消費者へ流通経路を示し、品質管理ができるシステムになっています。
そして、これはEU(欧州連合)の規制を遵守するために義務付けられています。

そこで、もう少し詳しく調べてみると・・・

《QRコードを読み込むと、この卵を育てた生産者の情報が分かる様になっています!》

卵だけではなく卵が入っている箱にも、EUの規制に適合している必要があり、特定の情報を明確に示さなければいけません。

 《記載内容》
●サイズ
●卵の成分
●与えられている餌(穀物)の説明
●繁殖方法
●卵のカテゴリー
●推奨消費日
●卵が詰め込まれた場所
●生産者または流通業者の住所
●保存方法

実は、他の卵の箱も確認したのですが、生産元や箱の大きさにより、微妙に内容が違う場合(省略?)もあります。

でも、だいたい上記の内容が一般的の様で、記載できない内容など、詳しくはQRコードや生産者のHPが記載されている場合もあります。

結局、何を選べば良い??

JAGAKO

実際の卵を見比べてみました!

左から、「BIO (code 0)」、「LABEL ROUGE (code 1)」、「Plein air (code1)」、「Elevage en cage aménagée (code 3)」

色味的には「code 3」のケージ飼育の卵が一番大きく、黄身の色が濃いです。

実は、これが抗生物質を穀物に混ぜた餌を与えられ、短期間で大きく育てられいるため、見た目は良いけれど、人間に与える栄養素や健康面の観点から指摘されている点でもあります。

これを消費者がいかに理解して購入するのか。

それは、消費者次第。

実際に、BIO商品なのに、卵の黄身は小さいし、何だか白く濁っていて初めの頃は、

JAGAKO

これは値段が高いだけで、新鮮ではない!

と、勝手に思ってしまった事がありました。

でも、それが自然に育った鶏卵のあるべき姿なのだと教えて貰った時に、人間が手を加え、人工的に繁殖させる事で、動物保護団体や世間から消費者を騙しているイメージが強くなり、ケージ飼育への見直しがあり、動物保護と品質を守るために、カテゴリー分けされた今までの歴史があります。

JAGAKO

さてさて、結局・・・
どの卵を選べば良いのか?

それはズバリ!

コード「0」や「1」のストレスなく育った「放し飼い」の卵がオススメです!

【番外編】フランスの「生卵」を生食するには要注意!!

以前、夫が来日した時、すき焼き専門店で生卵を溶いてお肉にたっぷり付けたり、旅館の朝食に生卵が付いてきて、それを納豆ご飯で頂いた時、すごく驚かれた事があります。

実際に、自分がフランスで生活をする様になってから、日本人の「卵」は「生卵」で食べられる。っという常識が全く通用しない事実を知りました。

上記でも触れましたが、一般的にお店で販売されている卵は、産卵日から28日後が推奨消費日です!

JAGAKO

28日ですよ!

「生食」は無理でしょ!

でも、それ以前に、もっと重要な違いがあります!!

日本で販売されている卵と大きく違うのが、EU諸国内で販売されている一般的な「卵の殻」が、洗浄されていないのが普通です。

フランスでは「卵」と言ったら、火を入れて調理する「加熱用」が一般的なので、日本とは殺菌方法が違います。

だから、よ〜く見ると、羽や糞が付着しています。

安易に生食してしまうとサルモネラ菌が付着している恐れがあり食中毒を起こす場合があります。

ただ、フランスの卵は品質に厳しいので、うっかり食べてしまっても、絶対に食中毒を起こす訳ではありません。(何度か実証済)

ただ、体調が悪い時は避けた方が無難です。

ちなみに、フランスで販売されている卵が全て加熱用ではなく、ちゃんと「生食用」の卵も販売されています。

ただ、一般的ではないので、お肉屋さんやTRAITEUR(トレトゥール/お惣菜屋)など、専門店で見つける事ができます。

フランスのレストランに行くと、生肉たっぷりのSteak tartare(タルタルステーキ)があり、その上に生卵が乗っている事があります。(日本でいうユッケの様な料理)

基本的にレストランやホテルで提供されている「Œuf poché(ウッフ・ポシェ/ポーチド・エッグ)」や「Œuf à la coque(ウフ・ア・ラ・コック/半熟ゆで卵)」は、半熟卵料理として有名ですが、下処理がされていたり、「生食用の卵」を使用しています。

フランスでは、特に自家製マヨネーズ、ティラミス、チョコレートムースなどを調理する際には「生食用」を推進しています。

生で食したい場合は、「生食用」を利用すべし!
生食用は産卵後9日以内(パッケージ表記は「EXTRA-FRAIS」)
【注意】一般的に販売されているのは、加熱用(産卵後28日以内の卵)

ちなみに、卵の箱の包装をよく見ると「卵のカテゴリー」意外に、もう一つ、A・Bのカテゴリーで区分されているところがあります。

●カテゴリーA・・・新鮮な卵を指し、洗浄などをしない一般の方向け。羽や糞が付着している場合あり
●カテゴリーB・・・食品および非食品業界にのみ供給(例:卵は加工食品に使用)

最後に、日本だと卵のS・M・Lのサイズが目立つと思うのですが、フランスでは大々的にサイズの記載がありません。

ただ、重量による等級付けをしているので、補足として、卵の大きさの目安もご紹介します。

「卵」の大きさ
●S・・・ 53g以下
●M・・・ 53g~63g
●L・・・ 63g~73g
●XL・・・73g以上の超大型卵

あとがき

日本では多くの卵料理がありますが、フランスでは「卵」はコレステロールが多い食品だと意外に敬遠されがちです。

その背景には、デザートなど、ケーキ類に多く使われ消費しているため、健康志向の人は特に卵を毎日「料理」で食べる事に積極的ではない感じがします。

JAGAKO

私的にすっごい矛盾!
大量に使用しているデザートは良くて、料理では制限???

それは、スーパーの卵コーナーに行けば、迷わずコード2の「Plein air(放し飼い)」や品質保証されている「LABEL ROUGE(ラベル・ルージュ)」を手にしている人が多く、コード2、3の抗生物質などの餌を与えられた鶏卵を手にしている人が少ないからです。(大手スーパーでは、コード0、1を推進し、抗生物質まみれの鶏卵自体を店頭に少量しか置いていない場合もあり)

もちろん、コード0、1の鶏卵は他の鶏卵に比べると、安価で20、30個入りの大量のパッケージが販売されているため、デザート(特に焼き菓子など)をよく作る場合は、コード3・・・っと割り切って買う人もいるかもしれません。

我が家は、子供が野菜嫌いなので、料理に卵を多く使用します。

例えば、目玉焼きを始め、厚焼き卵、オムライス、オムレツ、たこ焼き、お好み焼き、味玉、茶碗蒸しなど、何かしらのレシピに卵を使う事が多いので、日本では気にしていませんでしたが、コード2の放し飼いの卵かBIOしか買わなくなりました。

ちなみに、フランスの食材で迷ったら、「LABEL ROUGE」を選ぶのが一番のオススメです。

BIO商品よりも安価で購入できる上に、品質保障されている商品にしか記載できないルールなので、安心です。

「LABEL ROUGE(ラベル・ルージュ/赤いラベル)」とは?
製造または製造条件によって、通常販売されている他の同様の製品と比較してより高いレベルの品質を備えた製品を示す国の標識

JAGAKO

少しでも「卵」選びのヒントになれば幸いです!
最後までお読み頂きありがとうございました!!

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