海外に住んでいると、新鮮な魚をPoissonnerie(魚屋さん)で買うと大抵、頭付き・骨つきが定番なので「Fumet de poisson(フュメ・ド・ポワソン) 」をよく作る様になりました。
「捨てるのなんて、もったいない!」そんな方にオススメな、覚えておいて損はない、シンプルな”フレンチだし”です。

材料 (Ingrédients)
【材料】(約900cc)
・鯛(淡白な白身魚)・・・2匹分
・水・・・1000cc
・ポワロー(ねぎ)・・・1本
・玉ねぎ・・・1個
・セロリ・・・1本
・人参・・・1本
・マッシュルーム・・・大1〜2個
・ブーケガルニ・・・1束
※月桂樹の葉(ローリエ)、タイム、パセリの茎をポワローの青い部分の葉で包んだもの
・白ワイン・・・100cc
・粗塩・・・小さじ1/2
・白粒胡椒・・・少々※無ければ粉胡椒でもOK
・お好みでスターアニス・・・2〜3個
※独特な匂いが強いので苦手な方は除いてください
・(炒め用)オリーブオイル・・・大さじ1
《ブーケガルニ》
・ローリエ・・・大1枚 ※小さい場合は2〜3枚
・タイム・・・1〜2本
・パセリの茎・・・5本
・ポワロー・・・1本分 ※緑の部分

Bouquet garni(ブーケガルニ)とは?
魚料理や肉料理の臭み消しや香り付けのためにハーブや香辛料を束ねたものを言います。
パセリやタイムの小枝、ローリエなど各香草には、料理によって相性があり、肉用、魚用など、料理の用途に合わせて、各香草の組み合わせを考えます。
フランスのスーパーでは、用途別で販売されているので、どの香草が合う、合わないかを模索しなくても済みます。

フランスだとカレイや舌平目など淡白な白身魚で作ります。
でも、ちょ〜っとしかないのに結構なお値段なので、年中通して購入する事ができる、鯛やすずきを使った「フュメ・ド・ポワソン 」がおすすめです!
作り方(Instructions)


日本のダシの取り方と大きく違うのが、ブーケガルニを入れるか、入れないかで、出来上がりの下味が全然変わってきます!

●香味野菜の準備をします。
玉ねぎとマッシュルームは薄切りにし、人参、セロリ、ポワローの白い部分は一口大の輪切りにします。
●ポワローの緑色の部分は、ブーケガルニに使います。
※市販でも「fumet de poisson」用のブーケガルニが販売されています

●まずは、魚を(捌き)よく洗い、血合いの部分を綺麗な歯ブラシなど、小回りの効くブラシで丁寧に落とします。
※塩を揉み込むと取りやすくなります。

《一手間!》
●生のままでも良いのですが、一度オーブンで焼くか、フランパンで焼き目が付くくらい焼くと旨みがさらに増すのでおすすめです!
●深めの鍋を用意し、オリーブオイルを引き、強火で火にかけます。
●玉ねぎなど香味野菜を入れて、玉ねぎを透き通るくらいまで炒めたら、水と魚を加えます。

●沸騰したらアクを取り除き、ブーケガルニ、粗塩、白粒胡椒を加え、弱火にして約20分煮出します。
●その都度アクを取り除き、最後にこし器でこしたら完成です。

●だいたい煮出すと約900ccくらいになるので、すぐに使い切れない場合は、水のペットボトルなどの容器に入れて、冷蔵庫で保管できます
※2〜3日
●それから、冷凍する場合は、製氷皿などに小分けにすれば、使いたい時に使うことも可能です!
※2週間以内
「fumet de poisson(フュメ・ド・ポワソン) 」の作り方ポイント

「フュメ・ド・ポワソン 」は、フランス料理に欠かせないだし汁の一つで、
実は、2通りの作り方があります。
今回、ご紹介した様に「魚のアラ」 を使った場合は、香味野菜など、先に炒めて作る、深みとコクの出るだし汁の作り方です。
そして、もう1つは、舌平目など、身が少なく「魚のアラ」にしにくい魚を使う場合に適している、炒めずに煮出した方法で、上品な味に仕上がります。
それから、2通りに共通しているのは、アクをこまめに取り、長時間煮込むとエグみが出るため、30分以上は煮込まずに、こしてしまうのが鉄則です!
「Fumet de poisson(フュメ・ド・ポワソン) 」の調理ポイント!!
●舌平目やヒラメなど生魚を用いる時は、炒めず煮出す
→透明感のある上品な味わいに
●鯛や鱸などの「魚のアラ」を使う場合は炒めてから煮出す
→深みとコクのある味わいに
●白身魚など、淡白な魚を使う
●小まめにアクを取る
●煮込み時間は30分以内
フュメ・ド・ポワソンの使い道

せっかく作っても「フュメ・ド・ポワソン」の使い道が無ければ、残念な結果になってしまいます。
「フュメ・ド・ポワソン」は、フランス料理では欠かせない”魚のだし”ですが、

フレンチなんてよく分からない!
っと、言う方でも、意外に使い道はあります。
例えば、
日本でいう味噌汁に入れるカツオだし、いりこだし(煮干だし)と同じで、「コンソメ」など、シンプルなスープから、野菜をペースト状にした「野菜スープ」、南仏名物の「ブイヤベース」、
白ワインや生クリームと相性が良いので「ムニエル」など魚介類を使った「魚介ソース」、「魚介類のパスタ」、「リゾット」などで使われます。
日本人が作りやすい料理でしたら、「シーフードカレー」、「シーフードピラフ」、「洋風鯛めし」、「洋風茶碗蒸し」、「鍋料理」など、無添加の”魚のだしが必要な時に重宝します。
もちろん市販でも固形や粉末で販売されていますが、添加物が入っていないナチュラルなダシの味を知ってしまうと、全く別物で、体に優しく、安全・安全な「食」を味わうことができます。
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